戦国城郭の考古学(2)
本書の趣旨と外れるかも知れないが、一番じっくり読んだのが「岸和田城」に関する部分だった。
本書の表紙を飾る岸和田城。ハデな天守、石材色がばらばらな石垣、意味不明の庭園、実用性の乏しい白壁の狭間..どこかチグハグで、正直「好みでない」お城。よって、関心もかなり低かった。(岸和田古城は、岸和田城から東へ約600m。総合福祉センターの西南にあります)
しかし、歴史的には興味深いお城であることに本書を読んで気づく。秀吉の根来・雑賀攻めの拠点が最初。秀吉の数少ない親戚関係である小出氏(秀吉の母の妹の夫)の居城となり、秀吉の治世をサポート。関ヶ原の合戦では、上田氏や九鬼氏と同様に兄弟を東西両軍に分けて家の断絶を回避。そして、大坂の陣では、徳川勢となったため、大坂勢に城を囲まれてしまう。大坂城に隣接するが故の激動ぶりだ。
近年の二の丸発掘において、廃棄土坑とともに大量の炭と鉄カス、フイゴ羽口が発見され、城内で鉄製品を製造していたことが判明した。しかも、出土した陶磁器などから、製造時期は戦国末期から江戸初期と推定され、上記の小出氏が在城した激動の時期と一致するという。火災の危険性を伴う製鉄作業を城内で行ったという非常性が、当時の緊迫さを感じずにはいられない。
歴史上で注目度が低い武将が、遺構によってクローズアップされる。考古学のおかげで、こっきぃもひとつお利口になりました。
[書籍]「戦国城郭の考古学」
鈴木重治・西川寿勝 編、ミネルヴァ書房、2006
[写真] 岸和田城..やっぱり、ちぐはぐでしっくりきません(ゴメン
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コメント
▼ ひみつでもバレバレ さん
名前見て、「また怪しいサイトの書き込みか」と即断..削除しそうになりました(大笑
文献、縄張、考古、科学..あらゆる角度から解き明かされていく最近のお城研究は、趣味人にはたまらなく面白いです。通説なんてクソくらえっ! て感じの新発見・新知見がぞくぞくですから..反面、専門家はご苦労されているのでしょうけど。
岸和田古城の件は、Webニュースでウォッチしています。保存運動の発展を期待しておりますが、あの場所では宅地開発もしかたないか..と思う部分も。
スミマセン、逃げてしまいました..
投稿: こっきぃ | 2007/03/02 19:08
著者兼発掘調査担当者です。
本の紹介ありがとうございます。構想三年の力作です。
ところで、現在岸和田古城のほうがマンション建設で破壊されかけており、大変です。
2007年3/18には地元で守る会のシンポジウムがあります。
よろしく。
投稿: ひみつでもバレバレ | 2007/03/02 17:40
▼ ゆかえもん さん
同じ石材が入手困難だったのか、
はたまたケチっただけなのか。
..もう少し お城への愛情があってもよいのでは
と感じてしまいます
投稿: こっきぃ | 2006/11/17 05:45
岸和田城の石垣ってどうしてこんなにちぐはぐ・・・??
初めに見たとき ちょっと「気持ち悪い」って思ってしまいました。
(私ってひどいこと言ってる(^^;)
投稿: ゆかえもん | 2006/11/16 23:33